私の考える間取りについて記させていただきます。
これから家を建てる方向けへの記事というよりは、
自分自身への再確認のための記事です。
①住まい手の深層を探る。
家を建てると決めた方の多くは、ご夫婦で間取りを描いて持参したりします。
或いは、ピンタレストやインスタ、雑誌の切り抜きなどを
ご持参いただくことが多いです。
これはご家族の希望分かりやすく、とても助かる面も多いのですが、
私の仕事は、それらの希望を整理することから始まります。
もちろん、ズバズバと切り捨ててしまうのではなく、
コミュニケーションをとって整理するのです。その過程の中で、
ご家族の深層を探ります。
②コンパクトに単純にする。
これは、エコな住まいやロングライフデザインには欠かせないです。
あたりまえですが、大きな建物は外壁面も屋根面も床面も大きく、
温まりにくく冷えやすい建物になります。
言い換えれば外部と大きく接する家となります。
コンパクトな住まいは容積も小さいので暖冷房の負荷も少なくて済みます。
エコを謳う様々な機械設備はありますが、無理なく小さく建てることが、
最大のエコハウスだと考えています。誤解の無いように補足しますと、
小さな家が美徳と言っているわけでなくて、
経済的にも建物的にもエコハウスにしやすいということです。
③間取りから始めない。
お客様の描いた間取りは夢が詰まっていてコチラもワクワクするのですが、
設計士に雰囲気をお伝えするにはよいのですが、
設計士に間取りを強制するのは、良いことではありません。
例えば、
①体調が悪く病院に行く→医者に風邪薬をくださいと言う
→医者は言われた通りに風邪薬を出す・・
②体調が悪く病院に行く→医者に体調が悪いと伝える
→医者は自信の知見から検査や薬を考え処方する。
①②のどちらが患者にとって大切なのかは分かります。
患者に言われた薬を出す医者はいませんが、
残念ながらお客様に出された間取りで進めるハウスメーカーはいます。
言われた通りが、諸々楽だから・・・
魅力的な住まいには様々な「境界の捉え方」がとても大切です。
敷地の境界、屋内外部の境界、部屋の境界、等々。
様々な境界がどのような感じで繋げるのか、閉ざすのか。
間取りは2次元のモノですので、空間としての記憶が通常は掴めていません。
④周辺環境を読み解く
土地が決まらないと設計はできません。
資金計画が定まらないと土地は買えません。
限られた予算の中で土地を購入し建築するには経済的負担も大きくなります。
完璧な土地は高いです。安い土地には何かしらのマイナス点が必ずあります。
マイナスに感じるかどうかは、意外とご家族によって違いますが。
サンハウスでは土地の長所を活かし、短所を補う設計を心掛けています。
また、ご近所さんや地域社会に配慮した設計をしたいと心掛けています。
これにはご家族様のご理解が必要となります。
合法だからなにしてもよいではなく、
地域の資産になる住まいをつくりたいです。